<現地レポート⑤> 急成長を続ける卸専用オンラインプラットフォームFaireとは?

現在、急成長をし続けておりアメリカの小売店ビジネスに関わる人であれば誰もが知っているであろう、Wholesale専用のBtoBプラットフォーム”Faire”をご紹介いたします。

Faireとは

昨今、消費者の購入時の経路はデパートや大型チェーン店からローカルショップへ移り替わり、地方小売店を支援する動きが強くなっております。Faireはその流れを自社の強力なテクノロジーと強いコミュニティ力を用いて、その流れの中心に立ち始めています。

アメリカから始まり、カナダ・ヨーロッパ・アジア・オセアニアへとビジネスを広げ、世界規模のWholesaleプラットフォームとなり始めています。

Faireの参加に制限はないため、どのような商材でも参加は可能です。その中でも特に引き合いの多い商材は大きく分けてアパレル・文具・キッズ用品・ジュエリー・家具・ペット用品・飲料食品・美容品です。


そんなFaireの仕組みは非常にシンプルです。ブランドのアカウント開設の場合、登録自体に費用は発生せず無料で参加することができます。登録は現在、英語のみ対応ですが簡単な企業情報の入力のみでアカウントの開設ができる為、すぐにスタートできます。アカウント開設後はUS銀行口座の登録を行うだけで世界中の小売店とビジネスをスタートすることができます。世界中どの国の小売店からオーダーが入っても、30日後の入金時には登録をした銀行口座にUS$で入金される為、為替差損や手数料の心配なく気軽に全世界の小売店とスタートすることができるのが魅力の一つです。

他国とのビジネスで懸念する関税や各国にある独自のルール等、更新があればすぐに通知があり常に最新情報を知ることができるだけでなく、不明点があればFaireの専門チームへ訪ねることができます。実際にブランドへ課される費用はコミッションのみです。

コミッションは以下3種類に分かれています。

①    25%コミッション:Faireの検索機能経由でオーダーが入った場合

②    15%コミッション:25%コミッションの小売店からの2回目以降のオーダーの場合

③    0%コミッション:自社既存顧客をFaireへ招待、オーダーが入った場合

送料は商品発送完了時に請求することができ、コミッションを引いた額+送料が30日後に入金されます。その他追加の費用は全く発生しないので、ブランド・小売店双方が安心して使い続けることができます。

小売店から選ばれる理由


①    支払い方法の充実さ
Faireに参加している全小売店は支払いにおける企業の支払能力審査はなく、Faire側がNET60(60日後の後払い)を受け入れている為、小さな小売店やスタートしたばかりのお店でも後払いがでるため実際に商品をお店で販売後まで支払いを待ってもらえる為、特に小規模小売店は後払いができる事で複数ブランドをお店に取り入れるきっかけとなっています。

出典:https://www.faire.com/net-terms

➁幅広い出店ブランド数
パンデミックの際に数多くのWholesaleプラットフォームが生まれたが、取り扱いブランドを厳選しすぎるが余りに参入ブランドが少なく、小売店側はいくつもプラットフォームを掛け持ちしなくてはならなくなり、結果出店ブランドを厳選しすぎたプラットフォームの成長は大きく伸びることはありませんでした。

Faireはパンデミック前の2017年にアメリカ小売市場に参入し、2023年5月の段階ですでに約10万のブランドが参加しています。ただ数が多いだけでは小売店側も商品を探しにくい為、Faireの中でも優良ブランドはTop Sellerというバッチを貰い、Faire内のブランド検索で上位に位置し小売店は厳選されたブランドをFaire内で探すことができるようになっております。

検索部分でEco-Friendly, Not on Amazon, Low Minimum 等、フィルターをかけ自身のお店に合う商品をFaire内で簡単に探すことができる為、新しいブランドを探す一つの手段になってきております。

➂新規参入者特典の充実さ
Faireは小さな小売店や地方小売店等を強くサポートしている為、小売店には初回オーダーの特典としてFree Returnを案内しています。ブランド側に負担にならないよう、返送時に発生する送料はFaire側がカバーするという双方が損をしない形で間に立ってくれる部分もFaireが拡大し続けている理由です。


他にも、現在も新規参入小売店にはFaire側が$100プレゼント+1年間送料無料の特典を行っており、企業の資金力の安定性が伺えます。送料無料もFaire側がカバーをしてくれる為、ブランドサイドが損をすることはないので多くのブランド・小売店が変わらず利用し続けます。

「ブランド側が招待した小売店に対してのコミッションは0%。その為ブランドは小売店を招待、小売店側はFaireの提案する特典とオーダープロセス・支払い方法の充実さからFaireへ参入をする」このサイクルが功を奏し、Faireは現在参加ブランド10万店舗・参加小売店数70万・5万都市とモンスター市場へと成長を遂げております。

Indigo Faireの効果的な活用方法

ここまでFaireについての紹介やメリットを紹介してきましたが、ただ参加するだけでは売り上げをあけることは困難です。効果的に活用する為には、Faireが年に2回開催されるWinter Faire Market/ Summer Faire Marketに参加をお勧めいたします。オンライン展示会の役割も担う当イベントでは3-4日の間で5万近くの小売店が参加し25万近くのオーダーが付く一大イベントです。

出典:https://blog.faire.com/selling/faire-winter-market-2023-insights/

こういったイベントのほかに、Faireのプラットフォーム内でNews Letterを配信することもできFaire内のシステムを駆使することで小売店へブランドの認知度を高める・オーダー数を効果的に増やすことができる。コロナ渦での相次ぐ展示会のキャンセルで、小売店の多くはFaireで新しいブランドを発掘していました。コロナが収束した今も、Online とOfflineどちらの手段も小売店は活用し続けており、新しいブランドが常に参入し続けるFaireは今後も成長を続けアメリカでビジネスをする上で、新規顧客獲得・売上向上の為の一助となる、今後も目が離せない新興企業であることは間違いないでしょう。

Kanna

セールス・マーケティングスペシャリスト

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