<最新トレンド⑥> 消費者と直接つながる、Eメールマーケティング  後編

アメリカの最新デジタルマーケティング戦略の一つ、Email を使ったニュースレター配信についての後編です。

 

後編目次

1. Eメールを作成するためのおすすめサービス3選と特徴
2. Eメールを作成するステップとポイント
3. まとめ


 1. Eメールを作成するためのおすすめサービス3選と特徴

以下に主にDtoC 向けのビジネスで人気のあるEメールマーケティングの運用ツールのおすすめをご紹介します。

1-1.  Constant Contact    https://www.constantcontact.com

メールマーケティングの初心者には最も使いやすいソフトウェアの一つ。操作性をシンプルにし、テンプレも充実しているので、直感的に操作することが可能です。

1-2.   Mailchimp https://www.sendinblue.com/mailchimp/ 

アメリカでもっとも人気のあるEメールマーケティング作成ツールの一つ。2000までの送付先であれば、無料で試すことができ、わかりやすいインターフェースと、限定的ですが使いやすい機能性が評価されています。リスト管理、デザイン性の高いメール、配信設定など通常の機能は非常にスムーズに実行できます。受信者の動きに対して、送付するメール、頻度を変えるなどの、Personalize (個別対応)、Automation (自動化)の機能も充実しています。

1-3 Moosend   https://moosend.com 

Email の作成、送付だけにとどまらない、ショッピング体験全体をデザインすることを意識して設計されたサービス。ランディングページの設定、顧客行動に合わせた自動メールアクション、その他ソフトウェアとの連携など、細やかに設定することが可能です。

1-4. Hubspot   https://www.hubspot.com/products/marketing/email 

CRM の機能を軸にしたHubspot もEメールマーケティングサービスも提供しています。その他のサービス同様、直感的にメールを作成でき、CRM と直結しているため、送付先一人い一人の情報に紐づけたパーソナライズされたアクションをとれます。CRM と連携したサービス提供なので、費用は高め。こちらはより一件の売上が比較的大きい、BtoB 向けのサービスかもしれません。



2. Eメールを作成するステップとポイント

細かな作成方法はプラットフォームによっても異なりますので、以下は主にMailchimp を具体例にしながら、Eメールマーケティングキャンペーンを作成するステップとポイントをご紹介します。


Step 1:  メールリストを作る

当然ですが、送り先のリストをExcel で作成する必要があります。このファイルは後ほど作成ソフト上にアップロードしますので、各プラットフォームでアップロードできるフォームに合っているか事前に確認します。コンタクト先を取得する方法はいろいろありますが、オンラインストアのサブスクライバー、顧客リスト、イベント実施時のEメールサインナップなどが主流になります。
 ファイルを作る際のポイントとしては、Email アドレスだけでなく、フルネームをFirst とLast nameに列を分けて登録しておくということです。これにより、後ほどソフト上で、Personalize 設定する際に、Dear XXX と名前を自動で入れることで、開封率やクリック率を上げることができます。ファイルが出来上がったら、ソフト上にContact としてアップロードします。その際にリスト名をつけて管理することになるので、このリストの顧客がどういった属性であるのかを明確にし、適切なリスト名をつけることで送信設定時に管理が楽になります。



Step 2: キャンペーンを作成する

ソフト上でメールを作成します。通常版、自動化メール、テキストメールと選べる場合が多いので、ここでは最も主流である通常版(Mailchimp ではRegular)を選択します。


Step 3: 送り先の設定

先ほどアップロードした送り先を選定します。All Subscribers (全員)という登録されている全員に送る、というアクションよりも、ステータスや属性でリストを分けて、ここで適切にそのリストを選定することで、より高い効果が見込めます。先ほどのリストでFirst name の登録がきちんとされている場合、Personalize the ”To” field をOn にすると受信側で、該当メールを受信した場合、To メールアドレス、ではなく To XXX と自分の名前が表示されるようになります。


Step 4:タイトルとプレビュー文章の設定

次にタイトルとプレビュー文章を設定していきます。両方150字まで設定可能ですが、Subject はできるだけ短く、冒頭の文章でわかりやすく、魅力的(思わず開封したくなるような)にする必要があります。プレビュー文章は、G mail 画面で一覧で表示されたときに一部を表示させるもので、タイトルを補完するものです。タイトルと同じ内容ではなく、タイトルとプレビュー文章両方読んで、もっと中を見たいと思わせるものにしていきます。
例)
Subject (タイトル) Now’s the time to save big – up to 40% of
Preview (プレビュー文章) Ends Wednesday – don’t miss it

Step 5: テンプレートを選択する

内容や目的に沿って適切なレイアウト Layouts のテンプレートを選択します。そして各ソフトが用意する基礎デザイン Themes の中で自分が好むものを選んでいきます。



Step 6: ブランドや目的に合わせて構成、デザインする

文章やレイアウト、画像などをカスタムして変更していきます。多くの場合、コピー&ペーストや、ドラッグアンドドロップなどの直感的な操作での変更になるので、専門的な知識などは不要です。お洒落なデザインも重要ですが、画像やテキストにはできるだけリンクをいれて、受信者が次のアクションをとりやすいような工夫をしていきます。
ヘッダー部分にはロゴ(リンクつき)、フッター部分にはSNS リンクをつけることも、ブランドの統一感を守り、次のアクションやエンゲージメントの向上につながりますので忘れないように行います。



Step 7: テストメールで最終確認

テストメールを自分宛に送付し、内容やリンク、レイアウトに問題がないか最終チェックをします。当然メールは一度送付してしまうと変更や削除ができないため、できれば複数人でチェックをするようにしています。またパソコン、モバイル双方できちんとメールが表示されるかもチェックします。


Step 8: 送付日付を設定する

通常はセットしてすぐ送る(Send Now)ではなく、先日時を設定していきます。アメリカは国内で時差があるため、時間の設定の際には注意する必要があります。DtoC メールの場合、平日の朝8時から10時が最も開封率が高いといわれていますが、内容や業界、送り先によって異なるので、ABテストなどを実施して、自社の顧客の最も効果的な送付日時の傾向を検討するとよいと思います。

Ecommerce: 10:00 a.m.

Software/Saas: 2:00 p.m.-3:00 p.m.

Marketing Services: 4:00 p.m.

Hospitality/Online Retail: 8:00 am.- 10:00 a.m.

Professional Services (B2B): 8:00 a.m.- 10:00 a.m.

Nonprofits: 3:00 p.m.- 4:00 p.m.

Step 9: 結果レポートを分析する

送付後5-7日後くらいに送付したメールの結果を確認します。以下のようにわかりやすいレポートをとることができます。開封率 Open Rate、クリック率 Click rate のほかにも、事前にショッピングサイトと接合しておくことでセールメールであればどれくらいの効果があったのかも確認できます。
サブスクライブの解除 Unsubscribed などの数が多い場合には、何か原因がある場合がほとんどなので、送付内容や頻度などを見直す必要があります。分析作業を通して、受信者が求める内容やサービスを知り、マーケティングの質を向上させていきます。

3. まとめ

いかがでしたでしょうか?簡単ではありますが、アメリカのEメールマーケティングのトレンドと、運用ステップをイメージいただけたら嬉しいです。Eメールマーケティングには欠かせないサービスを選ぶ際には、以下を留意し、たいていの場合無料メニューを用意しているので、試してみて決めるのが良いと思います。
・価格体系  
・操作性 
・デザイン性 (用意しているテンプレートのデザインテイストが結構分かれます)
・サポート体制(電話やチャットのサポートがあるほうがベターです)

私たちも、不特定多数に向けた配信ではなく、パーソナルタッチ(個人的なコネクション)を強めたEメールマーケティングを強化していきたいと思います!

Lily

BOUS 代表。中央大学卒業後、キャノンマーケティングジャパン入社後、BtoB デジタルマーケティングの販促に携わる。2014年に単身渡米。NYにて20年以上日本企業のアメリカ市場進出サポートを行うMira Design へ入社。その後7年間、ジェネラルマネージャーとして、市場調査、企画、デジタルマーケティング、メディアPR, 営業と包括的に日本企業の海外進出をサポート。2021年独立、Bous起業。

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